副 会 長 の 夢 日 記
〜だって、夢見る乙女なんだもんっ〜 ←サブタイトルね!
○月×日 シンデレラの夢を見ました
○月■日 マッチ売りの少女の夢を見ました
○月△日 桃太郎の夢を見ました
C A S E 1
いや、ほらあれですよ。この季節って、陽気がぽかぽかして暖かいじゃないですか。んでもって、その暖かさは厄介なことに気持ち良いから、眠気を誘ってきますよね?春眠は暁を覚えないので、夢の世界に旅立っちゃうことは仕方ないんですよ、はい。それは、絶対、あたしだけじゃないですって!そう思いませんか?
「シンデレラ?シンデレラ?どこにおるん?」
「ったく、アイツは、どこに行った?」
先ほどまで、確かに、英語の授業を受けてたはずなんだけどなあ。でも気付いたら、こんなところにいました。あ、ここが夢の世界ってヤツですねっ。あたしが今いる場所は、なんか大きなお屋敷っぽい。ぴかぴかに磨かれた、大理石の床。高価そうな壺。美しい絵画その他諸々。すっごいね!夢ってなんかリアルだね!ちなみにあたしが今着てる服だなんて、古ぼけた服で、おまけに右手に雑巾を持ってる.....あれ?夢の中でも変わらないんですか、そうですか。あれれ...?しかも似合ってるのは気のせいですか?
「あ、おった。シンデレラ」
「お、忍足先輩!何ですか、その格好!あたしより美人じゃないですか!」
「.....お前のツッコミはそこかよ」
「俺、全然嬉しないわ。それより、ドレスはできたん?」
「.....まだ着るつもりなんですか」
「ちょっと俺だって、こんな役嫌なんやって」
「激ダサ」
「そういう宍戸先輩もお似合いですよね?」
「あー?この口、今何言った?」
「にゃひほひっへはへんひょー」訳:何も言ってませんよー
どうやら、この夢では、あたしは、お伽話のシンデレラのようで。俗に言う、意地悪な姉達が、忍足先輩と宍戸先輩みたい。忍足先輩は清楚な水色のドレスに身を包んでおられ、宍戸先輩は、淡い緑色のドレスに身を包んでおられる。多少、宍戸先輩が金髪のロングヘアーのカツラをかぶっているのが気になりますが....お似合いですよ、かんなり美人なんですけど!意外にもお2人って女装が似合う方達なんですね。って、言ったら宍戸先輩に頬をつねられました。夢だから痛くないけどさー.......でも、まあ、あたしもある意味、似合ってますけどね(自分でもヤバイくらい似合ってると思う)
「騒がしい。こんなトコロで何してるの?」
と、そこへ芥川先輩がご登場。いやあ、やけに可愛らしい継母ですこと。無理に声作ってるのが分かります
「あ、お母様」
「....おふくろよう、コイツが舞踏会へ行くドレスをまだ作ってねぇんだよ」
「随分口の悪いお姉さまですね。おふくろって...まあ、忍足先輩もどうかと思いますけど」
「だ・ま・れ」「だまろうなあ」
「あら、そういうことなの?そんなの大丈夫だC〜。お、やべ、じゃなくて、大丈夫ですわ」
「へ?(あ、芥川先輩、可愛らしいんですけど!)」
「だって、お...私が、ちゃんとレンタルしたか、か、ら?」
「疑問形がすごく気になるのですが」
「と、とにかく!私達は、今から舞踏会にいってくるから、掃除ちゃんとしとくのよ!」
「はーい!」
「....やけに素直やな」
「では、行きましょう。今日の舞踏会では、どうやら、王子の結婚相手を決めるらしいYO。2人とも頑張って、選ばれ....選ばれるのよ」
「ぜってぇ、イヤ」「ほんまにそれ嫌やわ」
だって、慣れてますしね!...ではなく、会長とか下克上野郎に言われたら、そりゃあ絶対にやらないだろうけど、でも、芥川先輩に言われたので、、素直にやりたいと思います。はい。.....というわけで、もう、御三方は出かけたようなので、掃除でもしますかね
「掃除なんてさせられて、ああ、なんて可哀想なシンデレラ」
「いや、今日は、自分からやろうと思ったのですが。それに、可哀想を強調しないでくれます?」
「本当は一緒に舞踏会に行きたいのでしょう?」
「え、いや、別に」
「そんな、もう意地悪な母親や姉はいないのだから、本音を言っても良いですよ」
「や、だから、行きたくないですってば」
「.....(行きたい、って言わなきゃ、話が進まないじゃないですか)」
「なんちゃって、嘘ですv本当は、めっちゃ行きたいですv」
「宜しい。では、貴方の願いを叶えてあげましょう。アブラカタブラ〜」
「え、間違ってるよね、それ」
雑巾で、階段を拭こうとしたところ、長太郎が現れました。なんか、魔法使いっぽい格好してるから、あのビビデバビデブーの魔法使いのつもりなのでしょう。にっこりと笑って、優しく諭すように言ってくるのですが、いや、今回は本当に自分からやろうと思ったからね。しかも、舞踏会だなんて、行きたくないしね。...なんだけど、にっこり笑っているはずの長太郎のオーラがものすごく冷たくて怖かったから、思ってたことと反対のこと言っちゃいましたよ。何やってんだ、あたし。で、でも、そう言ったことで、そのオーラが消えたから、ま、あ、いいよね。自信ないですが。んで、思うのは、絶対アブラカタブラーって間違ってますよね、ってこと。なんかヘビ出て来そうだよね、その呪文だと。そう言いながら、長太郎がステッキを振ると、チャラリン♪となんともファンタジックな効果音が鳴って。すると、あたしの着てた服がお約束でドレスに変わっちゃったよ。....似合わねぇ、こんなあたし。やばい、鳥肌が立ったよ。そして.....
「よし!シンデレラ、行くぞ!」
「ウス」
「何で、俺がこんなことしなきゃいけねぇんだよ!」
キャベツの馬車と、向日先輩と樺ちゃんと....それから会長も目の前にいます。きっと、彼らは馬車を引く馬っぽいです。向日先輩はかなりノリノリで、樺ちゃんはいつもの様子で......会長が馬って
「オイ!コラ笑うな!」
かなり、笑えますよね
*キャベツの馬車に乗って移動。会長が、やけに走ってて、面白かったです*
「ほえ〜...夢の中でも、こんなにリアルなんだ」
あたしって、想像力豊か?ども!でございます。もう舞踏会についちゃいましたよ、あはは(←ちゃんと笑えてるか分からないですけど)行く前に長太郎に「12時になったら魔法が解除されるから、それまでに帰ってきて下さいね。」と言われたんですけど.....逆に12時までいれるか微妙です。だって、こんな場所耐えらんないもん!帰りたいよー(本当に切実)あ、忍足先輩と宍戸先輩、発見。うわあ、なんか男の人に囲まれて、すっごく嫌そうな顔してる。芥川先輩はどこかな。あたしはきょろきょろと辺りを見回した。でも、見つからない。なんにしろ、人!人!人!って感じだからね
「オイ」
きょろきょろ見回しているあたしに、声をかけてきた人がいた。しかも、かんなり知ってる声。恐る恐る振り向いてみると.....やっぱりか。何で、アンタが王子役やってるわけ!?
「........お前か」
「何で、そんな大きなため息つくのよ」
「フン」
「うわあ、夢の中なのに、アンタのムカツクとこ、全く同じ」
「煩い。どっか行け」
「アンタが呼びかけたんじゃないの!」
「役の上、呼びかけなきゃいけなかったんだよ」
「あ、そう。こんの、下克上野郎ー!アンタ、きのこみたいな髪型やめなさいよー!」
「ば、馬鹿かお前!今、関係ないだろ!」
声をかけてきたのは、下克上野郎でしたから。残念。しかも、あたしを見て、思いっきり溜息ついてますから。....どこにいても、イヤミな男ね、コイツ。畜生...なんて、女の子が言っちゃダメですよね〜。というわけで、思いっきり息を吸って、大きな声で、いつも思ってた本音をコイツにぶつけてみる。.....あ、少しだけすっきりしました。と自己満足に浸っていると、腕を掴まれ、下克上野郎に引っ張られた
「な、何よ!放しなさいよ!」
「お前のせいで目立っただろ!移動するぞ!」
「シンデレラー、頑張れー!」
「健闘祈るぞー!」
「きーっ、忍足先輩、宍戸先輩。人事だと思って...!」
「おーい、シンデレラー!」
「きゃー、芥川先輩ー!」
何だそりゃって感じですよね、はい。引っ張られてる途中、先ほど男に囲まれてた、忍足先輩と宍戸先輩がにこやかに尚且つ上品にこちらに向かって手を振っていた。....絶対面白がってる。後で絶対一言言ってやる、と固い決意をしていると、大きく手を振ってくれる芥川先輩の姿を発見。きゃー、かーわいっ!芥川先輩!嬉しかったので、あたしも、下克上野郎に掴まれている腕と反対の腕を大きく振り返しました。....すると、下克上野郎に殴られました
「いったー!何するのよ!」
「目立つことすんな!この馬鹿!」
「ってか、さっきも言ったわよね!あたし、馬鹿なんかじゃないから!」
「お前の頭大丈夫か?」
「心配ご無用。正常に働いております」
ムカツいたので、言い返したところ、アイツも言い返してきて、口喧嘩。本当にさー、夢の中くらい、紳士的になれって感じ。で、何故か場面はいきなり変わって。時間帯は夜で、どうやら、外みたい。近くには清らかに水を噴出す噴水があって。しかも、周りを見ても先ほどまで賑やかだったのに、静かで、どうやら2人っきりっぽい....って、はっ!これってもしかしてあれですか!
「.......あたし、ここでアンタと踊らないといけないの?」
「死んでもゴメンだ」
「やっだー、奇遇。あたしもよ」
「そうか、嬉しくないが、気が合うな」
「そうね、嬉しくないけどネ!」
そうだよね〜。あたしと下克上野郎がここで2人で踊るなんて、地球がボールみたいに跳ねても、ありえないよね。良かった、という心からの微笑みを浮かべるあたし。アイツもかすかに笑う。でも、火花はバチバチに散ってるのも事実。黒さ対決なら負けないわっ!.....って、時計見たらもう12時っぽいじゃん!やったネ☆
「じゃあ、あたし帰るから!」
「勝手にしろ」
「あ、そう....って、何、アンタのその顔」
「忘れ物はないか?ガラスの靴とか置いて帰るんじゃねぇぞ」
「誰が置いて帰るかっつーの」
アンタが少し寂しそうな顔したから、原子くらいほんの僅かにドキっとしたのに.....ああ、そうですか。やっぱり、アンタはムカツク男だわ
*場面を変わりまして*
「シンデレラ、あの後王子とどうやったん?」
「もう関わることはないですので」
「それにしても、驚いたな。あのドレスの似合わなさ」
「ほっといてくださいよ」
ガラスの靴を置いていかなかったため、シンデレラはその後もいつも通り平凡に暮らしましたとさ
「って、夢を見てたので、書類終わらせることができませんでした!」
「.....俺が、馬役って何だよ、それは」
「あたしに聞かれても知りませんよ」
「というより、授業中にするな、馬鹿」
C A S E 2
いや、ほらあれですよ。この季節って、陽気がぽかぽかして暖かいじゃないですか。んでもって、その暖かさは厄介なことに気持ち良いから、眠気を誘ってきますよね?春眠は暁を覚えないので、夢の世界に旅立っちゃうことは仕方ないんですよ、はい。それは、絶対、あたしだけじゃないですって!そう思いませんか?
「マッチいりませんかー?ってか、買って!」
「おい、ちょっと態度悪すぎねぇか?」
先ほどまで、確かに、現代文の授業を受けてたはずなんだけどなあ。でも気付いたら、こんなところにいました。あ、ここが夢の世界ってヤツですねっ。あたしが今いる場所は、雪の降りしきる夜の街。行き交う人々に、ふんわりと灯る街灯、立ち並ぶ建物、そして白い雪。すっごーい。夢ってなんかリアルだね!昔の貧しい家の少女がしてたような格好をして、バスケットを持って立ち尽くしているもん、あたし。バスケットの中にあるのは、必要以上のマッチ
「だって、買ってくれないと、あたし、家に帰れないですもん」
「......繊細さのカケラもないな」
「何よ!下克上野郎!そんな帽子被ってるんじゃないわよ!似合いすぎだし!」
「関係ないだろ、それは」
どうやら、この夢では、あたしはお伽話のマッチ売りの少女らしい。だって、マッチ売ってる少女って...マッチ売りの少女だよね。うん、そのまんまだよね。んでもって、街を行く人1、2だろうと思われる、宍戸先輩と下克上野郎に押し売りしようとしたところ、宍戸先輩と不本意ながら下克上野郎に、ツッコミを入れられました。ちなみに、下克上野郎が、被っているのはロシアの人が被ってそうな黒くて長い帽子。....想像した皆さんは、あたしの言葉に同意を示してくれますか?
「....もう、いい!アンタに買ってって言ったのが悪かった。ですので、宍戸先輩買ってくださいな?」
「今ごろ気付いたか、この馬鹿」「何で、俺なんだよ」
「えー!こんな、可愛らしい女の子が頼んでもダメですか?」
「「......。」」
「あ、そうですよね。言ってみただけデスヨ。ハイ」
そんな明らかに言葉に詰まった表情をするのって、ひどいと思いません?そりゃ、ちょっと....まあ.......言い過ぎた面もございましたが、そこまで嫌そうな顔しなくてもいいでしょ!特に下克上野郎。アンタには言ってないっつーの。馬鹿か、コイツ、付き合ってらんねえ、って思ったこと、否定させないからね。...夢から覚めたら、どうしてやりましょうか....?
「ちぇ.....あたしって、そんなに女の子らしくないかなあ....」
家と家の間にある細い道にへたりと座り込み、壁に持たれて、呟く哀愁漂うあたし。あれから、宍戸先輩と下克上野郎と別れ(下克上野郎には別れ際に、帽子に値札ついてるよ、って教えてあげたのよ)(あたしって、超親切)別に夢だから寒くないけど、吐くと白い息が。マッチ売りの少女も大変だったのね、とつくづく思いながら、斜め下を見ると、イジメられてるのかは分かりませんが、さっきより明らかに多いマッチの入ったバスケットがあったり....これは、あれですか
「マッチ擦っとくべきですか」
だよね、やっぱり。ニッコリ笑って、はあと溜息。....だって、マッチを擦って、何かの光景が浮かぶなんて、ありえない話。そこまで夢見る年は、もう過ぎたしね。でも、ここで擦らなきゃ、物語は終わんないし。シュっと音を立てて、マッチを灯す。.......その瞬間、自分が浅はかだと気付きました
「どうも〜、忍足侑士です〜」
「向日岳人だ!ガックンと呼んでくれ!ってか、言っとくけどパクったわけじゃねえぞ!」
「「んでもって、2人合わせて、氷帝ダブルス2」」
「え、めちゃくちゃ普通じゃないですか」
「お客さん、よう気付いてくれたなぁ。実は、これ、ほんまのコンビ名ちゃうねん」
「.....はあ....(訳分かんない)」
「本当のコンビ名知りたい?」
「いえ、別に」
「そうか、聞きたいんやな。よし、岳人。声揃えて言うで」
「おう!侑士!」
「(......何食べたんだろ、この2人)」
「おっしゃ、せーのーせっ!」
「「ミソ眼鏡でーす」」
「ダサくないですか、それ」
お伽話は、今の現代の夢のようなもの。で、今、ここはあたしの夢の世界だから....何でもありでした。はい。マッチを擦ると、ほうと綺麗な炎がそこに灯りました。うわ、あたし、今からマッチ擦りの少女になろうかな、って思ったところ、お2人の姿がマッチの炎に映りました。青いスーツを着て、キラキラと光る銀色の大きな蝶リボンをつけた忍足先輩とスーツが赤、蝶リボンが金色と色違いである向日先輩。....あー、絶対こういうネタくると思ってました。ダブルスコンビで、漫才ネタ
「えー、最近ええ天気でんなあ」
「そうでんなあ」
「そういえば知ってます?忍足さん」
「何やねん、向日さん」
「隣の家に、できたんですって」
「何がやの」
「地球初大型せ」
........なんかつまんなさそうなので、もういいや。ふっと、まだ勢いよく燃えているマッチの炎を消す。ぽいっと、マッチの残骸を投げた。無造作に落ちて、なんだか寂寥感が込み上げてくる。いや、投げたのはあたしだけどさ。.....やっぱ、なんか罪悪感を感じるから、もう一回擦っとこう、マッチ。うん、そうしよう。後で、怒られそうだしね
「スズメが一匹。スズメバチが二匹。カマキリが三匹。オオワシが十匹」
「え、芥川先輩。全くもって理解できません」
「ジ、ジロー先輩!そんな落ち込まないで下さい。また次がありますよ!」
「次って?」
「大丈夫です!次こそ、羊飼いの少年コンテスト優勝できますよ!」
「なんだそりゃ」
マッチを擦ると、今度はダブルスコンビではなく、芥川先輩と長太郎が現れました。背中を向けてしゃがみながら、激しく落ち込んでいると思われる芥川先輩とそれを励まそうと必死になっている長太郎。芥川先輩なんか、地面に『の』の字を書いて、訳分からないことを言ってますし...って、長太郎。羊飼いの少年コンテスト、って何ですか、それ。しかも、驚くべき点は、そのコンテストに出たんですか、芥川先輩
「いいさ、鳳。俺は、所詮準優勝のオトコなんだ」
「え、準優勝でも十分スゴイと思うんですけど」
「で、でも、先輩の口笛すごく上手かったですよ!」
「.....鳳....。」
「そうですよ、先輩のペプシマンのテーマには感動しました!」
本当に、めちゃくちゃだね、それ。まあ、マッチの炎が消えてしまったため、そのツッコミを入れることはできずに終わりましたが....。ってか、ある意味すごいよね、この幻覚。しかも、ペプシマンのテーマを口笛で吹くって......うわあ、すごいですよね、本当に。羊も寄ってこないはずだよ
「.......さて、どうしよう」
ふと、横にあるマッチを見てみる。...うん、まだいっぱいある。溜息も出てくる。で、確か、マッチ売りの少女原作では、温まろうと思って、3回マッチを擦るんだよね。今、あたしが擦ったのは2回....やっぱり、あと1回擦ったほうがいいですか?んー...でもなあ....いや、しかし....よし!決めた!擦ろう!
「....えいっ!」
あたしが思い切ってマッチを擦ると、ほうとほんのりマッチに炎が灯る。そして、次に出て来られたのは....
「俺様の美技に酔いな!」
「ウス」
「.......」
はい、皆様もうお分かりだと思われます。もう、言葉が出てきませんよ、本当に。.....っつーか、派手すぎだろ。これは。紅白に出てる某歌手さん達もびっくりですよ。なんせ、金一色の衣装に身を包んでおられるんですもの。しかも、台詞が台詞でまた笑える個性的ですし......ま、1番オカシイのは、明らかに、うわぁ素敵、とか思っちゃってる自分ですね、ハイ。いや、好きな人ってやっぱどんな姿でも、素敵といいますか。はい、見苦しい言い訳ですね
「今から、俺の美技50コ魅せてやるから、見逃すなよ!まず、最初は、皿回しだ!樺地、皿取れ!」
「ウス」
え、待って。ちょっと、見たいんですけど。しかも皿回しですって!?
こ、こうしちゃいれない、マッチ擦らなきゃ!
*全部見終わりまして.....*
「可哀想に。マッチを擦って、温まろうとしたんだね」
「あの時、マッチ買ってやれば良かったぜ」
「.......え、みんな天然やろ?」
「「「「「は?」」」」」
「めっちゃ気持ちよさそうに寝てるだけやん」
会長の美技を見れて満足したマッチ売りの少女は、図太く生き残っておりましたとさ
「って夢を見てたので、会議のことさっぱり忘れてました!」
「.....お前、ちょっと屋上来いよ」
「え゛」
「俺様の本来の美技を魅せてやる」意味:俺の美技は皿回しなんかじゃねぇ
C A S E 3
いや、ほらあれですよ。この季節って、陽気がぽかぽかして暖かいじゃないですか。んでもって、その暖かさは厄介なことに気持ち良いから、眠気を誘ってきますよね?春眠は暁を覚えないので、夢の世界に旅立っちゃうことは仕方ないんですよ、はい。それは、絶対、あたしだけじゃないですって!そう思いませんか?
「では、行って来ます!お婆さん、お爺さん」
「桃太郎、行ってらっしゃい。くれぐれも気をつけるんですよ。あと、貴方の為にきび団子作っておきましたから」
「あ、ありがとう!お婆さん!」
「.....もう二度と帰ってくるな」
「マ ジ で す か」
先ほどまで、確かに、数学の授業を受けてたはずなんだけどなあ。でも気付いたら、こんなところにいました。あ、ここが夢の世界ってヤツですねっ。あたしが今いる場所は、のどかで人の少ない村にある一軒の小さな家の前。周りを見渡しても、これといって何もない、ただ緑は綺麗だけれど。ってか、夢ってすっごーい!だって、こんなにリアルなんだよ?しかも、今のあたしの格好...見たことあるよ、読んだことあるよ、このお伽話
「ってか、勝手に拾ったんだから、もうちょっと責任もって、面倒見なさいよー!」
「お前が、勝手に出てきたんだろ!」
「まぁまぁ、2人とも。それに、桃太郎。早く行かないと、お話が始まらないですよ」
「は、はい....じゃあ、行って来ます」
「もう帰ってくるんじゃねぇぞ」
「もう分かったってば」
そう、どうやら、この夢では、あたしはお伽話の桃太郎らしい。すっごく、メジャーなお話だよね、うん。お婆さん役の長太郎からはきび団子を受け取り、お爺さん役の下克上野郎には、帰ってくるな、と言われ...ん?なんか、おかしくないですか?確か、ここは気をつけて行ってこい、的なセリフじゃなかったっけ?まあ、気にしないことにしましょ
「おかーをこーえーゆこーぉよーー口ー笛ー吹きつーつー....って、あたし口笛吹けないじゃん!」
重大なことに気付いてしまった、あたし。あれからお婆さん、お爺さんに別れを告げ、気持ちよく歌いながら歩いていたところ....気付きましたよ。あたし、口笛吹けないんだった!ってか、逆に口笛鳴らせる人ってすごいと思う。だって、あたしなんかピの微かな音すら鳴らせないもん。.....あーあ、ちょっとがっかり。口笛吹きながら余裕かまして歩きたかったのに...。まあ、ここでツッコむ点は、歌ってる時点で余裕かましてるってことかもね
「もーもたろさん、もーもたろさん、おっこしにつっけたーきーびだーんごー、ひっとつわったしにくーださーいな♪」
「あたし、腰にきび団子なんかつけてませんけど。忍足先輩」
「うわっ、じゃあ俺、めっちゃ滑ってしまったやん!ハズイやんか!」
「え、あたしに言われても」
桃太郎といえば、犬、トリ、猿(順番忘れたけど)に出会い、きび団子をあげて、その3匹に鬼ヶ島に鬼退治するのについてきてもらうお話。だから、こうして、誰かが出てくるのは、お約束な訳で。あたしの目の前に飛び出してきたのは、忍足先輩であって。めちゃくちゃノリノリですやん、歌まで歌っちゃって。ま、残念なことは、あたし、きび団子は、リュックの中に入れてるのよね、何故か。あ、ちなみに、忍足先輩は、幼稚園児がつけるような犬のお面をつけているので、犬役だと思われたり....あー、はいはい。分かりましたよ。きび団子、リュックの中から取ればいいんですよね、忍足先輩。ですから、そんな、地面に『お』の字なんか書かないで下さい
「忍足先輩どうぞ」
「おおきにー」
「俺にもくれ!」
「?!」
忍足先輩にきび団子をあげた所、忍足先輩は、にんまりとしてそれを受け取りました。...とりあえずついてきてくれるよね?と思ったその時、聞き覚えのある声が聞こえてきて。んでもって、黒い影が目の前に飛び出してきました。わ、めっちゃびっくりしたんですど...今度は誰なんです?
「もーっもたろさん、もーっもたろさん(以下省略)」
「略すんですか、向日先輩」
「え、だって、2回もやったら、ウザイだろ?」
「先輩、よく分かってらっしゃるんだか、そうでないんだか、よく分かりませんね」
「ま、気にするな!それより、俺にも俺にもー!」
今度は向日先輩でした。忍足先輩と同じような感じで、猿のお面をつけてらっしゃるので、向日先輩は猿役なんですね。....それにしても、潔い方です。全く。なんか、すっごく感心しちゃったあたしがいるんですけど。.....まあ、とりあえず、向日先輩が、可愛らしく両手を差し出して、きび団子をねだってくるので、あげましょう。あたしが、その両手にきび団子を1つ乗せると嬉しそうに笑う向日先輩.....ヤバイ。ツボにきた。かなり可愛らしいんですけど。いやあ、いいわ、向日先輩
「さって、残りはトリですね!」
「呼んだ?」
「?!芥川先輩!!」
犬(忍足先輩)に猿(向日先輩)、このまま桃太郎のお話どおりにいけば、トリに会うはず!まあ、そういう意味で思わず口に出してしまった言葉に、思いがけない返答が。「きび団子ってこんな味なん?」「さあ、でもからあげの味がして美味いな!」と会話する忍足先輩と、向日先輩は、まあ置いといて。その声の主を探す....すると、思ったとおりの人物が、草むらからゆっくりと出てきたじゃありませんか......そう、芥川先輩です!先輩は、他のお2人とは違い、背中に画用紙で作られたような山吹色の羽がついてました。もう、芥川先輩だから、可愛いです。何もツッコみませんよっ
「おー、ジロー!ジローもきび団子もらえよ!美味いぜ!」
「うん、見た目と味合ってへんけどな」
「あ、芥川先輩いります?」
「......俺、ムースポッキーがいいなあ」
「夢から覚めたらあげますね!ですから、今はこれで我慢してください」
「本当?!嬉C〜!」
........さって、これでメンツは揃いましたよ!では、今から、レッツゴーツーザ☆鬼ヶ島!
「そうや、みんなせっかく揃ったんやから、ババ抜きせえへん?」
「賛成賛成!やろうぜ!」
「俺、絶対勝つかんね!」
え、 行 く 気 ナ シ で す か
*あたしが3回負けた後、ようやく出発して......*
「ここが、鬼ヶ島かー」
「うん、確かに鬼がいそうだな!」
「だって、鬼ヶ島やもんな」
「そうそう、鬼ヶ島だしね」
「何か訳分からなくなってきましたね」
とりあえず、鬼ヶ島にご到着。....ってか、船でここまで来たの、かなり疲れましたよ。いろんな意味で。....いや、本当に疲れるのは、今からなんだけどね。これから、鬼退治しなきゃならないんだけどね!
「ってか、鬼どこにいるのでしょうねー」
「「「あそこ」」」
「. . . . . . .」
鬼ヶ島についたのは、いいけど、肝心の鬼がいない!=退治できない。鬼いないなんて、桃太郎のお伽話成り立たないじゃないですか!と思い、独り言のように呟いてみる。すると、3人全員声まで揃えて、指を差された.....トコにいましたよ、鬼が
「オイ、俺様に当たってねぇぞ!」
「うるせぇな。お前にばっか、仰げられっかよ。ってか、何で、俺がこんなことしなきゃならねぇんだ?」
「つべこべ言わず、仰げ!そうだ、樺地、お茶入れて来い!」
「ウス」
......何とも言えない、この光景。しかも、夢じゃなくて、現実かと一瞬疑ってしまいました。何ともメルヘンちっくな鬼の角をつけて、優雅に肘掛け椅子にもたれ、足を組む会長。そんな会長の我侭を忠実に聞く、樺ちゃん。パタパタと、大きな団扇で、会長を扇いでいる、宍戸先輩は、ちょっと現実とは違うかな、うん。ってか、本当可哀想。宍戸先輩。同情するんですけど
「あー、そこのお前。代われ、マジで手ダルイ」
「宍戸先輩、あたしは仮にも主人公ですけども?」
「こーいうのは、お前の仕事だろ?」
「まずは、下っ端から、倒してきましょー!」
「「「おーっ!」」」
「ちょ、てめぇら!後でぶっ殺す!」
......せっかく、同情してあげたのに、何それ。ヒドくないですか、それ。ってか、鬼にこき使われようとする桃太郎って...。ヒーローもクソもないですよね。って、おっ、芥川先輩!きゃ、カッコいい!よくぞ、宍戸先輩を、縄でぐるぐる巻きにしてくれました。ざまあみろ、と思ってしまうあたしって、やっぱり性格悪いですか?
「宍戸、情けねぇな」
「ほっとけ、こんの髪二変化野郎」
ぐるぐる巻きにされた宍戸先輩を、嘲笑う会長。さすがのこれには、宍戸先輩に同情。だってね、1番ツッコミどころありすぎる、会長にそんなこと言われたら、誰でも腹立ちますよね。メルヘンで可愛らしい角を頭につけてらっしゃるし、何より、宍戸先輩の言うとおり、会長の髪は二変化ですしね
「......んで、お前は何しにきたわけ?」
「や、鬼退治に」
「どこに鬼がいるんだ?バカじゃねぇの?」
「その角は何ですか、その角は」
「あ?これは角じゃねぇよ、ファッションだ!」
.......どうしよう。誰か助けてください。会長がおかしいです。もとからおかしい方でしたけど、ここまで、おかしいとは思ってませんでした。誰か、この会長を正常に戻してください
「俺が鬼じゃねぇって証拠に、これ全部くれてやる」
「おーっ、すげー!テニスの王子様全巻じゃん!」
「ファンブックもあるで!跡部やるやん!」
「俺、家持って帰ろーっと!」
もう、何が何だか分かんない。ついてけない。常識人のあたしには。.....あ、そうですか、ですよねぇ
.......あ た し も そ ろ そ ろ 現 実 に 戻 っ た 方 が い い で す よ ね
ちなみに、このお伽話のラストが知りたい方への補足
その後、帰ってくるなと言われましたが、村に帰り、ヒーローとなりきれずに、平凡に暮らしましたとさ